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株式会社フジプラス
高耐刷ガム処理プレート「アダマス」採用
高生産性、UV対応実現
日本アグフア・ゲバルト株式会社(岡本勝弘社長)は高耐刷性ガム処理プレート「Adamas(アダマス)」の関西第一号ユーザーとして株式会社フジプラス(大阪市北区、井戸剛社長)に採用されたことを発表した。「アダマス」は、「アズーラ」で実績のあるガム処理方式を受け継ぎつつ、新開発の高感度フォトポリマー技術の採用によって、高生産性・高耐刷・UV対応を実現したプレート。LED-UV印刷機を持つフジプラスではアダマスを採用。耐刷力アップによる生産性の向上、網点品質の安定化などを実現している。今回、フジプラスの蔭山克彦取締役、生産本部 部長の中村和博氏、生産本部 TIグループ ゼネラルマネージャー 寺田和弘氏にインタビューを企画。アダマス採用の背景や導入効果について聞いた。
(左から)寺田ゼネラルマネージャー、蔭山取締役、中村部長
環境対応、視認性の高いプレート
大正12年に創業した同社はマーケティング活動からデザイン、印刷、発送までを社内一貫で行い、印刷を軸として培った「創造力」「提案力」「技術力」を武器に、お客様視点による効 果の高いサービスを提供している。
同社工場では輪転機 2台、菊全機 1台、菊半機 1台、さらにデジタル印刷機を合計6台所有。「大ロットから小ロットまで対応しており、膨大なデータの管理を要するため自社独自でシステムを構築。データの管理からジョブの進捗をモニター上で「見える化」し、効率的なスケジューリングが可能になった。スムーズな対応力に自信がある」と同社の蔭山取締役は語る。
そんな同社がアグフアのプレートを採用するきっかけとなったのは約10年前。「IGASのアグフアブースに立ち寄ったことから付き合いが始まり、製品に関する情報はもちろん、業界の動向など幅広い知識を提供してもらった。10年という長い時間はかかったが、LED-UV印刷機を導入したことでプレートの採用につながった」と中村和博部長。当時導入した印刷機はプレートに印字しているQRコードを読み取ることで、ジョブデータの確認、見当調整、色合わせが図れるといった自動化機能を備えたもの。「当然、プレートは読み取れるQRコードを印字できるものというのが前提となった。環境への配慮から無処理版の導入を検討、テストを行ったが無処理版は視認性が低く、QRコードの読み取りに課題があり本採用に至らず、視認性が高く、また強アルカリ現像を必要としないガム洗浄方式の”アズーラ”を採用した」(中村部長)
悪いところが見当たらない
CTPで露光後、ガム洗浄を行うため有処理版同様に視認性が高いアズーラに対して「運用上は問題なかったが、UV印刷機を所有する当社が希望する耐刷枚数をクリアすることは難しか った」と中村部長は当時を振り返る。その結果、他社製の有処理版も運用し、通し枚数によって使い分けるという運用を行っていたという。
同社の運用上、2つのタイプのプレートを使うことによる作業効率の低下が課題となっている中、アグフアではUV耐刷に対応したガム洗浄方式の現像レスCTPプレート”アダマス”が国内で正式発表された。その話しを聞いた中村部長は「まずは使ってみて、印刷機での耐刷、QRコードの読み込みなど機械的に能力が発揮できているかを確かめるためテスト運用がはじまった」と話す。まずLED-UV菊全印刷機で175線、280線の印刷チャートを用意し、8000、12000、15000、18000回転でそれぞれテストを実施。その結果について「非常に良い結果が出た。導入している印刷機の最高回転である18,000回転にも対応できた。他社のプレートでは回転数が上がれば水の汚れや濃度が足りないといった課題はあったが、アダマスは全く問題なく刷れ、網点の再現性も高い。これは回転数を上げ、線数を変えても同じ結果であった。品質も以前に比べて圧倒的に良くなっている。」(中村部長)
蔭山取締役も「テスト結果の報告時、悪いところが見当たらないと聞いた。当社はノンアルコールで行っているが、その相性も良かったのかもしれない。今まで様々なプレートを試してきたがアダマスが一番スムーズに終わったという印象」とテスト実施当時のことについて語る。
クリーニングユニット「Adamas COU」
CTPを変えることなく出力スピードが向上
いくつかの検証材料をクリアした結果、正式採用に至り、現在では枚葉機はすべてアダマスで運用している。プリプレス担当の寺田ゼネラルマネージャーはアダマスの採用の効果について「印刷で問題ないというのがプリプレス側の我々にとっても一番求めていること。その点で言ったら問題ないし、むしろ非常に良いと聞いている。当社はもともと輪転機の会社で版数は少なかったが、枚葉機を導入したことによってプレートの出力待ちの状態もあった。アダマスだと露光スピードがあがったため、一時間あたりの出力枚数が約1.5倍になりその課題が解消された。CTPを変えることなく出力枚数があがったことはコスト面ではもちろん、作業効率も大幅に向上した。当初予定していなかった結果となりうれしい誤算である」 アダマスは高感度フォトポリマー技術を採用しているため露光感度があがることによって、出力スピードも向上。プレートのみの変更で大きな設備投資することなく、生産性の向上にも繋がる。
生産ラインの自動化・効率化の推進
またアダマスはアズーラ同様、露光後のプレート処理は中性のガム液を使用しており、専用のクリーニングユニットはアグフア独自のデュアルガムコンセプトを採用。洗浄用ガム液と仕上げ用ガム液を使いけることで、クリーニングユニットのメンテナンス周期の長期化と処理後のプレートの版面保護の強化を実現。耐刷性だけでなく耐擦傷性にも優れているのが特長である。「強アルカリ性の現像液を使用しないため、メンテナンスが大変楽になった。クリーニングユニットもシンプルな構造で、電源を入れればすぐに立ち上がる。温度管理も必要としないため光熱費の削減にもつながった。」と寺田ゼネラルマネージャー。
中村部長も「これまでは1階に印刷機、2階にCTPと自動現像機を設置していたため、出力後のプレートが運搬中に傷つくということがあった。アダマスは耐擦傷性が優れているうえ、クリーニングユニットの管理が簡素化しているため、印刷機の真横に置くことができた。動線が短くなり、今では全くと言っていいほどトラブルはない。」と評価している。
アダマスに大変満足している同社だが今後の展望については次のように語る。「品質、生産性の向上などアダマスによって当社の可能性が広がったと思う。今後は印刷スケジュールを考慮した仕組みづくりを構築し、生産ラインのさらなる自動化・効率化を推進していきたい」(中村部長)
蔭山取締役は「当社の強みである社内一貫生産体制によるスムーズな対応力をさらに強化するためにアダマスの生産性や品質は大きな武器になる。さらにアグフアは営業、サポートともにレスポンスも良い。今後もプレートの改善はもちろん、革新的なシステムの提案に期待していきたい」と述べている。
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